読書会

2015年

2015年11月号掲載

≪神戸慶應倶楽部読書会 第41回≫

 第41回目の学問のすすめ読書会は、10月20日(火)に阪本豊起評議員の事務所で行われました。参加者は、堀切、浅沼、古淵、得田、藤井、福野、善塔、宍戸、六拝、清水、池田に阪本の12名でした。

 今回は、文明の概略の最後の巻之六第10章「自国の独立を論ず」(最終章)を読了しました。6:30から8:30迄の2時間、休みもとらず輪読を続けました。始める前には輪読は8:00までと決めていましたが、内容も面白く誰もやめようとは言いださず、結局12名で5巡して一気に最終章を読破してしまいました。これだけのボリュウムがある明治8年の著作を読破できた感動を共有できたことは嬉しい限りです。

 第42回以降の読書会では、文明の概略を再び第1章から輪読を続けますが、輪読に留まらず、文脈ごとに議論をして、更にその理解を深めるとともに、そこで指摘された問題意識を現在のわれわれに置き換えて話し合うことになりました。

 号外として、大阪船場博覧会実行委員長の池田から、立派なパンフレットに基づいて「船場を楽しむ7日間」の案内がありました。また飲み会では古淵から自宅で実ったおいしい柿の差し入れがあり、暫しの秋も楽しむことができました。

 次回の読書会は、来年1月13日(水)18:30から、阪本の事務所(建隆ビルⅡ3階)で行います。飲み会の割り勘代は3000円です。お酒とさかなの準備がありますので、前回出席者以外の方は阪本まで事前にご連絡頂ければ幸いです。

世話役  阪本豊起

2015年9月号掲載

≪神戸慶應倶楽部読書会 第39回≫

 第39回目の学問のすすめ読書会は、6月24日(水)に阪本豊起評議員の事務所で行われました。今回は「景気対策の呪縛―過去50年、景気対策に明け暮れた日本経済を解雇する」と題して堀切民喜先輩に日本経済の実態と問題点をお話して頂きました。参加者は、堀切、青戸、浅沼、古淵、六拝、古武、善塔、藤井、得田、池田、福野、宍戸、野田、上原、阪本に清水、小崎も加わりの17名でした。

 2000年から09年にかけて千里眼に寄稿された論文と最近のアベノミクスを支えている濱田宏一氏の著書から抜粋したレジメに基づいて、今に行き着いている資本主義の構造をご自身の経済人の膚実感から解き明かして頂きました。「最近わたくしは資本主義が90年代の半ば頃から変質してきているのではないかと感じている。それは経済の成長に雇用と賃金がついていけないことである。」という論文での指摘が09年3月になされていることに驚かされました。

 くしくも今回の読書会の日は、日経平均株価がITバブル期の2000年4月の2万833円を18年半ぶりに超えた日になりましたが、ITバブルが崩壊して平均株価が8千円を割り込んだ03年から1万8千円まで値を戻した07年までの好景気の実態が米国の過剰ローン(サブプライムローン)に牽引されたものであることにも意味深いものがあります。アベノミクスの評価にも様々な見方がなされていますが、興味深く観察していくことが重要な気がしました。

 ところで、文明の概略の輪読も残すは、最後の巻之六第10章「自国の独立を論ず」だけになりました。次回から2回の予定で読了したいと考えていますが、この名著をみんなで声を出して読了できたら素晴らしいことです。

≪神戸慶應倶楽部読書会 第40回≫

 第40回目の学問のすすめ読書会は、8月26日(水)に阪本豊起評議員の事務所で行われました。参加者は、青戸、浅沼、古淵、得田、福野、宍戸、清水に阪本の8名でした。

 前回の読書会の日は、日経平均株価がITバブル期の2000年4月の2万833円を18年半ぶりに超えた日になりましたが、暑い夏を終えた今回の読書会のときには1万7714円まで下げてしまいました。世界の動静は経済も政治も不安定です。

 今回は、参加者が少なかったこともあり、輪読はお休みして、第41回以降の読書会の方針について議論しました。その結果、文明の概略をもう少し、読み込み、その理解を深めるとともに、そこで指摘された問題意識を現在のわれわれに置き換えて話し合うことになりました。輪読に留まらず、文脈ごとに議論をしてみようということです。
従って、次回は、文明の概略の最後の巻之六第10章「自国の独立を論ず」から始めますが、この最終章を予定で読了したのちには、再び最初に還ります。

 次回の読書会は、平成27年10月20日(火)18:30から、阪本評議員の事務所(建隆ビルⅡ3階)で行います。飲み会の割り勘代は3000円です。会場は神戸慶應倶楽部のある神港ビル(旧居留地8番)の西隣(東京海上)の更に西隣(6番)の全面ガラスの建隆ビルⅡの3階です。商船三井ビルの東隣です。18:30以降は正面玄関が閉まるので地下通用口からお入りください。但し、お酒とさかなの準備がありますので、前回の出席者以外の方は阪本まで事前にご連絡頂ければ幸いです。

 また、堀切民喜顧問(昭29・経)のインタビューが、毎日新聞/8月20日(木)/朝刊】に掲載されていましたので、掲載いたします。

世話役  阪本豊起

2015年6月号掲載

≪神戸慶應倶楽部読書会 第38回≫

 第38回目の学問のすすめ読書会が、4月15日(水)に阪本豊起評議員の事務所で行われました。参加者は、青戸、浅沼、古淵、佐井、阪本、六拝、古武、善塔、得田、池田、宍戸、上原の12名でした。

 今回は、佐井裕正前神戸慶応倶楽部会長から「修身要領」の編纂経緯とその意義が語られました。「修身要領」は日清戦争後の思想界の混迷、条約改正という新しい事態に対して福沢先生が、現時の社会に適する修身処世の綱領を作成することを提唱されたことにより、小幡篤次郎、石川幹明、福沢一太郎、土屋元作、日原正造らが編纂に当たり明治33年2月1日に完成したものですが、同33年6月に福沢先生によって揮毫された決定稿に基づいて、時事新報の付録としてその複製が作成されました。もういくつも現存していない貴重品ですが、此度、佐井君が巻き軸にしたうえで神戸慶応倶楽部に寄贈してくれましたので、その「修身要領」を鑑賞しながら、文明の概略の番外編として29条ある「修身要領」を佐井君の解説で味わいました。

 次回は、堀切民喜先輩による特別講演を予定しております。昭和29年に経済学部を卒業され戦後ずっと経済人として日本の経済を見てこられた目から見た戦後の混乱期から現在のアベノミクスまでの日本経済の実態と今後の見通しについて語られるのが楽しみです。貴重な機会ですので読書会に参加されていない方もどうぞおいでください。
ところで、文明の概略の輪読も残すは、最後の巻之六第10章「自国の独立を論ず」だけになりました。次々回から2回の予定で読了したいと考えていますが、この名著をみんなで声を出して読了できたら素晴らしいことです。

 その後の読書会の運営についてもそろそろ検討しなければなりません。ご意見お聞かせください。

 次回の読書会は、平成27年6月24日(水)18:30から、阪本評議員の事務所(建隆ビルⅡ3階)で、堀切民喜先輩による特別講演を行います。

読書会世話役  阪本豊起

2015年4月号掲載

≪神戸慶應倶楽部読書会 第37回≫

 第37回目の学問のすすめ読書会が2月18日(水)に阪本豊起評議員の事務所で行われました。

 前回は、堀切先輩の特別講義で輪読は見送りしましたので、今回は「文明の概略」の輪読にひたすら集中し12名の2巡で巻之五を読了しました。巻之五の内容は第9章「日本文明の由来」でした。文明の概略も残すは最後の巻之六第10章「自国の独立を論ず」だけになりました。次回から2回の予定で読了する予定です。

 堀切先輩からは「世界が日本経済をうらやむ日(浜田宏一、安達誠司著 幻冬舎)」アベノミクスが良く理解できる経済本だとして紹介されました。

 また、大阪なんなんタウン商店街振興組合の理事長を務めておられる池田からは、第18回大阪弁川柳コンテスト作品集を頂きました。大阪弁で最近の時流を面白く表現した450句が載せられているものです。

 2次会の話題は、古今東西を駆け巡りましたが、NHKの朝ドラや大河ドラマで活躍している人物にごく近い縁者の方々が数多く慶応や倶楽部の会員の身近におられることに驚きました。

 次回の読書会は、平成27年4月15日(水)18:30から、阪本評議員の事務所(建隆ビルⅡ3階)で、「文明の概略」の巻乃六第10章「自国の独立を論ず」(岩波文庫では236頁)から始めます。「文明の概略」(岩波文庫)を持って気軽においでください。飲み会の割り勘代は3000円です。前回の出席者以外の方は阪本まで事前にご連絡頂ければ幸いです。

読書会世話役  阪本豊起

2015年1月号掲載

≪神戸慶應倶楽部読書会 第36回≫

 第36回目の学問のすすめ読書会が、12月17日(水)に阪本豊起評議員の事務所で行われました。参加者は、堀切、青戸、浅沼、藤井、福野、阪本、六拝、古武、古淵、得田、宍戸、野田、上原の13名でした。

 本日は、堀切先輩の特別講義がありました。

 慶応で経済学を学ばれ、社会に出られてからは信託銀行や関西経済同友会、本州四国連絡橋公団などまさに日本経済の中心で活躍されてこられましたが、経済に関して興味の湧く題材に事欠かかなかった60年間だったそうです。そのうちこの約20年の間に仕事の合間に筆を執り発表された11編の論文について、これらが発表されたときから時間を経た今日、どのように評価されるべきかを話して頂きました。戦後の日本経済の変動を身をもって体感され、豊富な読書量と第一級の学者や財界人と議論を戦わせてこられたうえで語られる日本経済の講義は圧巻でした。日本経済の呪縛はあいまいな景気対策と円高対策(円高は悪であり円安に導かそうとする)で目先の痛みを和らげることしか眼中になかった政策にあるとのご指摘は、長期的な視野から日本の経済の実態を振り返って示されると説得力のあるものでしたが、その堀切先輩の原点は教科書に動態経済学序説(RFハロッド 高橋長太郎・鈴木諒一訳有斐閣 昭和28年4月3日初版 定価300円)を使い、また「近代経済学研究会」で東大、一ツ橋、早稲田、中央と5大学で「インターゼミ」を開き、ケインズの弟子のJOAN ROBINSONが著した「THE RATE OF INTEREST AND OTHOR ESSAYS」を原書で輪読し鍛えあった慶応の経済学部での学びにあるとのことでした。猛烈に勉強されていた塾生堀切民喜青年の姿が目に浮かびます。尚、「大格差 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか」(タイラー・コーエン著 NTT出版 2014年9月18日第1版)は今後の経済を占う著作として紹介されました。

 この日はあいにく強力な寒波に襲われ震えながら集まりましたが、2次会の姫路のヤヱガキ酒造の八重垣で温まって解散しました。
次回の読書会は、2月18日(水)18:30から、阪本評議員の事務所(建隆ビルⅡ3階)で、「文明の概略」の巻乃四第9章「日本文化の由来」の途中(岩波文庫では236頁)から始めます。

 「文明の概略」(岩波文庫)を持って気軽においでください。飲み会の割り勘代は3000円です。会場は神戸慶應倶楽部のある神港ビル(旧居留地8番)の西隣(東京海上)の更に西隣(6番)の全面ガラスの建隆ビルⅡの3階です。商船三井ビルの東隣です。18:30以降は正面玄関が閉まるので地下通用口からお入りください。但し、お酒とさかなの準備がありますので、前回の出席者以外の方は阪本まで事前にご連絡頂ければ幸いです。

読書会世話役  阪本豊起