月例会

2023年





無題ドキュメント

2023年11月号掲載

10月例会
横浜・隣花苑 二代目女将・西郷槇子さん(塾員)をお迎えして

玉井美津子(平成1文)

令和5年10月11日18時30分から、神戸ポートピアホテル 南館16F「レインボー」にて、神戸出身・横浜在住の康乗幹事のご紹介で、横浜三田会常任幹事でいらっしゃる西郷槇子さん(元隣花苑女将)よりお話いただきました。
 また今回、西郷槇子さんとご一緒に数名、横浜三田会の方々も来神くださり、34名が出席となり、横浜・神戸、東西の港町同士の最高の三田会交流の場となりました。
さて、西郷槇子さんは、塾員でもあり、横浜の名園として名高い「三渓園」に静かに佇む「隣花苑」の二代目女将を務められた方です。
 横浜三渓園を開いた原富太郎(三渓)氏がその隣接地に、長女・春子さんのために建てたお屋敷を昭和38年に孫娘の俊子さんが料亭として創業、15年後の昭和53年に槇子さんが二代目女将を引き継がれました。三渓氏の直系の曾孫として店を盛り立て、横浜の経済人・文化人にとってかけがえのない存在として慕われていらっしゃいます。隆盛を誇った隣花苑でしたが、建物の維持が困難となり令和2年8月に惜しまれながら閉苑となりました。
 横浜三渓園「隣花苑」の女将でいらっしゃった西郷槇子さんのお話は、第一声
「お着物で来なければならなかったのだと思うけど、遠いからお洋服で来ました!」という爽やかで自然体な笑顔で始まりました。気さくなご様子の槇子さんはお洋服のお姿もとても気品高く、素敵でした。これこそが、本物の「品格」だと思いました。
 お話は、三渓園の名前が三之谷の地名が由来になっている事や10棟の重要文化財が残っていること、創始者でいらっしゃる三渓さんの心の美しさが庭園の美しさにつながっているというお話、「自然は皆の物」とお庭を私物化せずに開放されたことから、とても三渓さんのリベラルなお人柄を槙子さんのお父様はとても尊敬されていたことなど、ご家族ならではのお話をお聴きすることができました。
 なんと槇子さんのご実家の寝室には、岸田劉生の絵が飾ってあったそうです。槇子さんは小さいころから本物の美術品に囲まれ、目の教育をされていたこと「物を置くところは一点しかない」という教えから、一流の美意識が養われたことは間違いないと思いました。
閉園となった「隣花苑」の建物は、700年の歴史があり足利時代の建物だったのは驚きで、それと同時に代々続けていくことの素晴らしさと、継いでいくということの責任の重さを感じました。槇子さんが閉めようと決心なさり、お気持ちが楽になったというお言葉がとても印象的でした。
 お話をお聴きした後は、神戸の地で一夜限りの復活を遂げることを楽しみにしておりました、「隣花苑と言えばこの料理」と謳われる名物「三渓そば」を頂きました。お蕎麦の美味しさはもちろんのこと、見た目の美しさ、家庭的な温かさもありながら、気品を感じさせる丁寧に手をかけられたお蕎麦を、神戸ポートピアホテルで頂けたことに感動しました。槙子さんがこのために10:30にはポートピアホテルに到着して仕込みをされたとうかがい、またポートピアホテルの料理長様は三渓そばをメインとして会席メニューを考えてくださり、当日は仕込みのサポートもしてくださったとのことで感謝の気持ちでいっぱいになりました。お料理を頂きながら、まるで槇子さんのお宅に招かれているようなおもてなしを感じ、これこそが槇子さんが受け継いでこられた「おもてなしの心」なのだと思いました。まだ頂いたことのない、蓮華飯も是非頂いてみたいです。
 お料理を頂きながら、横浜三田会康乗幹事にお話しをいただきました。
 幹事が「隣花苑」にいらっしゃった時のエピソードやお写真、ご一緒に過ごした方々のお話にも花が咲きました。康乗幹事のお話の中で、日本で初のラグビーの試合についてのお話やその様子を描いた絵も拝見し、横浜対神戸のインターポートマッチのお話や様々な日本の伝統スポーツのお話もとても興味深く、康乗幹事のお話にはいつも引き込まれて時間があっと言う間に過ぎてしまいます。横浜と神戸は「フレンドリーライバル」として、ライバルだからしのぎを削ってきたことを伺い、この先も素晴らしい関係を築いていけるであろうことを確信いたしました。
 今度は是非、横浜三田会のイベントに伺えることを楽しみにしたいと思います。
改めて、神戸慶應倶楽部の会員であることに幸せを感じ、横浜三田会との親交をますます深められた一夜となりました。

関西合同三田会in堺

笠原 秀彦(平成5法)

 11月12日(日)、「関西合同三田会 2023泉州大会式典」が開催されました。
式典では、塾歌斉唱の後、最初に、渡辺岳夫関西合同三田会会長から「宝塚大会から1年ぶりの関西合同三田会です。」とご挨拶があり、続いて西村元秀泉州慶應倶楽部会長から今回のテーマは「ひもとけば堺」であるとのご説明を頂きました。
次に、菅沼安嬉子慶應連合三田会前会長から御来賓祝辞がありました。慶應義塾の変革の一環として、慶應連合三田会会長職の80才定年制を導入したことのお話を頂きました。
そして、伊藤公平塾長から記念講演がありました。塾生の学習環境を良きものにするために、返礼品はないものの、ふるさと納税の相手に慶應義塾を選んで頂きたいとのお話を頂きました。
最後に、白神典之堺市博物館学芸員から特別講演「堺の歴史をひもとけば」と堺の通史の説明があり、慶應三田キャンパス内に鈴木貫太郎内閣総理大臣の石碑があるとのことです。
 続いて、「関西合同三田会 2023泉州大会懇親会」が開催されました。会食・ご歓談の中、素晴らしい堺太鼓パフォーマンスがありました。
次回開催紹介では島村辰彦和歌山三田会会長から「空青し、陽輝き、海青し、いざ白浜へ」のキャッチフレーズの下、和歌山大会のPRをされました。
また、隈元英輔2023年度関西合同三田会実行委員長からの謝辞があり、コロナの影響で大会の延期が続き、今、誰よりも解放感を味わっているのはこの私ですとのお話がありました。
最後に応援指導部OBによる、若き血斉唱がありました。「三色旗の下に」「丘の上」  「コールケイオウ・ダッシュケイオウ」「慶應讃歌」を肩を組み斉唱し、終了となりました。

松尾 茂樹副会長(昭和60商)追悼

堺 充廣評議員(昭和53法)

 「堺さん。ちょっと話があるんですわ。」と,眼鏡を光らせ,いつもと変わらない愛嬌ある顔で松ちゃん(親しみを込めてこう呼ばせていただきます)が話しかけてきたのは昨年暮の家族例会の席でした。とはいえ,改まった話し方なのでどうしたのかなと思うと,「僕,がんで医者からサクラを見れるかどうかも分からないって言われてるんですわ。」とのこと。何ともあっけらかんとした口調に加え,とてもそんな重病とは思えない顔色の良さから,正直,何冗談言ってるのと思ったのが最初でした。聞くと,彼が実行委員長を務めた「2019年関西合同三田会in神戸」のときにはがんが分かっており,治療に努めてきたが良くならず,いよいよ先が見えてきたということでした。嘘だろーと,とても信じられず,すぐには受け入れることができませんでした。

 松ちゃんと特に親しく付き合うようになったのは,私が幹事長をしていた際に,幹事をお願いしてからです。当時は,大澤さんが副幹事長を,亡くなった梶田,石崎らが幹事として活動してくれており,月に1度程度は倶楽部運営の名目で会っては遅くまで酒を酌み交わしたものでした。また,私が会長を務めた平成26年から28年までの2年間,幹事長を務めてくれ,幹事団をうまくまとめ,倶楽部の円滑な運営に尽力してくれました。例会の最後に行うエールも率先してやってくれ,応援指導部のセーターまで購入して若き血をリードし,エールといえば松尾,と思われるまでになったことは,会員の皆様も十分に目に焼き付けられておられることと思います。
 幹事長を退任後も,「2019年関西合同三田会in神戸」の実行委員長を務め,既にがんの告知を受けており,体調が優れないときもあったようですが,「BE KOBE,BE KEIO」のテーマの元,神戸慶應倶楽部らしい華やかな,さすが神戸と言われる関西合同三田会を取り仕切り,大成功を収めたのも記憶に新しいところです。

 家族例会の場で親しい仲間で食事をしようということになり,年明けに会った際には,自分らしく,最後まで生きていたいと話していました。その後の彼の生き様を見ると,ゴルフにテニス,関係した多くの会への出席や同級生らとの交流,会社の経営など,その言葉どおりに,松尾らしく,精一杯生き続けたように思います。ご家族のお話ではお別れの会の企画まで全て自分で行ったそうで,僕など,到底見習うことはできません。ただただ,すごいなー松ちゃん,と感服するだけです。
1月に会った後も何度か顔を合わせていました。薬が効かなくなって,と言いながらも顔色などには大きな変化はなく,サクラの季節もとうに過ぎ,安堵し,期待もしていたのですが,8月下旬に最後に会ったときには,かなり痩せ,歩くのも困難になっている状態で,心配していた矢先に訃報に接してしまいました。本当に,残念でなりません。

 松尾らしい生き方に徹した松ちゃん。松ちゃんの生き様を忘れることはありません。もう,一緒に飲むことはできないけれど,梶田や石崎らと昔のようにワイワイ楽しんでください。僕らも,松尾を見習って自分らしく生きれたよ,って会ったときに言えるように頑張って生きていきます。
さようなら,松ちゃん。ありがとう,松ちゃん。

松尾副会長「お別れの会」について

 先日ご案内いたしましたが、ご遺族様から「お別れの会」について以下の通りご案内いただいております。

 松尾副会長たってのご希望により、「ご縁のあった多くの方々にお集まりいただき、故人の想い出やエピソードを語り合いながら、湿っぽくなく和やかにお見送りいただきたい」とのことでございます。

 日時:2023年12月16日(土)
    式典14:00~(受付13:30~)
 場所:神戸ポートピアホテル 本館地下1階「偕楽の間」

 ※当日は喪服ではなく、普段の服装でいらしてください。
 ※ご香典・ご供花・ご供物はご辞退なさっています。

2023年9月号掲載

神戸慶應倶楽部
100周年記念式典・祝賀会

実行委員長 中内仁(平1商)

1923年(大正12年)に設立された神戸慶應倶楽部は今年めでたく100周年を迎えました。木村会長のもと、橋本幹事長を筆頭とする幹事団と実行委員会チームによる1年以上の準備を経て、去る8月5日(日)、神戸ポートピアホテルにて、神戸慶應倶楽部100周年記念式典・祝賀会を開催いたしました。お蔭様で、当日は会員とそのご家族をはじめご来賓、ゲストを合わせて約230名の方々とご一緒に大きな節目をお祝いすることが出来ました。

式典は子守康範さんと増田紗織さんによる司会でスタート。まずは歌舞伎俳優3代目市川右團次様による記念のご祝儀舞い、三番叟が披露されました。間近に観る日本の伝統文化に息をのみ会場は一気に格調高い雰囲気となりました。塾歌斉唱と木村会長の挨拶に続き、伊藤公平塾長より、慶應義塾の近況や世界で一番の大学としての取り組み等、貴重なご講演を頂きました。

その後は、伊藤塾長、小林公一様、市川右團次様、都倉武之様に登壇頂き、木村会長から100周年記念インタビューが行われました。小林様からは宝塚歌劇団が100周年を超えて更なる発展を遂げられているというお話、また都倉様からは福沢諭吉先生と神戸のゆかりの詳細について等、各パネラーから興味深いお話を伺うことが出来ました。次は会場を移動して祝賀会開催となり、まず冒頭に応援指導部OBリーダー2名・OGチア4名の皆様に、若き血・三色旗の下に・ダッシュKEIOを披露いただきました。“神戸”を応援するエールに会場は大いに盛り上がりました。

この度の祝賀会でも多くのご協賛ご協力をいただきました。元幹事長の故瀬戸雄三様の生前のご縁によりアサヒビール神戸支社様より多数の飲料を、大澤副会長より日本酒を、谷口会員より黒毛和牛を、山本会員より焼き菓子とチョコレートを、橋本幹事長からはステージとテーブルのお花をご協賛いただきました。また記念品の100周年オリジナルビーチサンダルは、土井副会長のご協力により制作いただきました。多くの会員、企業様より格別のご配慮をいただきましたことに厚くお礼申しあげます。

菅沼連合三田会会長による乾杯のご発声でスタートした歓談・会食の途中では、増田紗織さんによる“探偵ナイトスクープ”風のコメントで、“橋本幹事長から会に華を添えるため有名人からのお祝いメッセージがほしい”とのお手紙紹介に続き、ヴィッセル神戸の武藤嘉紀選手、女優の紺野美沙子様、作詞家の松本隆様からのビデオメッセージが放映されました。
そして、祝宴のクライマックスはゴスペラーズ 北山陽一さんによるスペシャルステージ。ゴスペラーズメドレーやカバー曲を含め4曲をピアニスト柴田敏孝さんによる伴奏で、思いを籠めて歌い上げて下さいました。心に染み入る歌声に参加者の皆さまも大きな拍手を送られていました。

城口副会長による閉会ご挨拶の後、締めくくりは再び応援指導部による若き血・丘の上・そして慶應賛歌1番3番。参加者全員で大きな輪になり、皆で肩を組んで合唱。一体となった会場の様子をドローンで撮影し、盛りだくさんのイベントは無事に終了いたしました。
終了後には多くの方々から良かった、楽しかった、との嬉しいお言葉を頂戴することができました。私自身は、実行委員長として、また会場ホテルの代表として至らぬ点が多々ありましたが、幹事や実行委員会の皆さま、また当日の運営をお手伝いいただきました会員の皆さまのお力添えにより、無事に行事を終えることができ安堵しております。お忙しいなかご参加下さいましたご出席者の皆さま、そして繰り返しになりますが、何度も打合せ会やLINEやメールの連絡にお付き合い下さいました幹事、実行委員会の皆さまに心より感謝申しあげます。有難うございました!

9月例会 
~'What an experience! My 29 years at the British Library'大英図書館と私:29年間を振り返って~
大英図書館 元Senior Conservator 松岡久美子様

日野哲志(H14総政)

令和5年9月1日18時30分から、「GIORONE」にて、会員松岡美佳さん(昭60文卒)の従妹である大英図書館 元シニアコンサーバターである松岡久美子様がいらっしゃるロンドンと、ZOOMで繫ぎ、ご講義を頂きました。

塾高野球部の甲子園優勝の熱も冷めぬ中、ZOOMでの参加者を含めて24人の会員が出席となり、この夏を通して塾関係者の義塾愛がより一層強固なものになったことを感じました。

さて、松岡久美子様はロンドンでお生まれになり、ロンドン芸術大学、ロンドン大学大学院で分析化学の修士課程を修了されました。その後、大英図書館(BL)の分館であるIndia office Library and Recordsの修復部に就職され、2015年まで大英図書館の所蔵資料の保存、環境管理及び修復に携わっていらっしゃいました。

本日のご講義では、松岡様のBLでの29年間の経験をお話しいただきました。
図書館などでの資料の保存を専門とするコンサーバターという職業は、1970年代ころ誕生し、松岡様も手探りのままコンサーバターとしての経験を積んでいくことになりました。2000年ころからはオリエンタルスタジオのマネージャー、コレクションケア部の展示とローンのコーディネータに就任し、キュレーターやローン担当者と協議し、資料を安全に展示する方法を検討してこられました。BLの収蔵資料は世界的に貴重なものばかりであり、持ち運びにも細心の注意が必要であり、非常に緊張感を要する作業だったとのことです。金銭的価値も高いが、そもそも複本が存在しないものばかりで、その責任は重いものだったとのことです。

2011年、保存部で、環境モニターのマネージャーとして、貴重書庫等の気温や湿度などの環境チェックなどを担当されました。7世紀から8世紀ころに製作された世界的にも貴重なリンディスファーンの福音書を、イングランド北部のダラム大学図書館で展示する際には、開催2年前から環境管理体制を整備することに大きな尽力をされました。また、マグナカルタ発布800年祭の大展覧会では、4点のみ現存する1215年作成のマグナカルタや、米国独立宣言の原本の展示にも携わられました。

松岡様が関与された資料には、唯一無二の国宝級の資料も多かったのですが、その経験を淡々と語られる口調に敬意を感じました。

2023年6月号掲載

定時総会

山田慎二(H28商)

2023 年 5 月 25 日(木)18 時半より、2023年度定時総会及び懇親会が開催されました。会場である神戸倶楽部は、1869年(明治2年)、西日本で最初の外国人クラブとして設立され、それ以来、国際的な交流・社交の場として維持発展してきました。

三宮・元町の喧騒から離れ、緑豊かで静寂に包まれた都会のオアシスのような雰囲気を持つ当会場は、神戸慶應倶楽部の総会を開催するのに相応しく、38名もの参加となりました。

橋本幹事⻑の開会宣⾔で始まった総会は、神⼾慶應倶楽部の歴史と伝統を重んじながらも、和気藹藹とした雰囲気に包まれておりました。木村会長の手慣れた議事進⾏の下、提出された議案はすべて原案通り承認可決されました。

懇親会では、阪本評議員の乾杯のご発声ではじまり、神戸クラブの旬の食材を活かした国際色豊かな料理に舌鼓を打ちながら、各テーブルで会話に花が咲いていました。

途中、泉州慶應倶楽部から来られた、西村会長・渡辺副実行委員長による合同三田会のご案内や、小池副実行委員長による100周年記念祝賀会のご案内があり、終始和やかな総会でした。

最後は、大澤副会長に締めのお言葉を頂戴した後、今泉副幹事長の渾身の指揮のもと、「若き血」の合唱を行いました。長き自粛生活の鬱憤を晴らすかのように、肩を組み大声で歌い上げる会員の姿は、まさにアフターコロナを印象付ける瞬間でした。

久しぶりに参加をした方も、初参加の方も関係なく各世代交流が図られ、繋がりの深さを強く感じることのできる総会となりました。

6月例会『最近の金融・経済情勢について』日本銀行神戸支店支店長 竜田博之氏

岡篤志(H23商)

6月22日(木)18時30分より神港ビル7階会議室にて、中内副会長のご紹介で日本銀行神戸支店支店長竜田博之様を講師にお招きし、『最近の金融・経済情勢について』というテーマでご講演いただきました。難しそうなテーマにもかかわらず22名の会員の方々がご出席ということで、今年の4月に10年ぶりに新総裁が誕生した日本銀行への注目度の高さが感じられました。

さて、内容に関しまして、まず日本銀行とはどのような組織でどのように運営されているかというご説明をいただきました。特に本店にある15局(室、研究所を含む)のそれぞれの役割を分かりやすく解説していただき、中でも竜田様が長く携わってこられた決済機構局に関するお話の中で、日本銀行の決済システムで1日に約220兆円のお金が決済されるという部分に関しその金額の大きさに衝撃を受けました。普段知ることの出来ない日本銀行のことを学べる大変貴重なお話でした。

次に本日のテーマのうち、まず海外の経済動向のご説明をいただきました。特に、終わりの見えないウクライナ情勢に伴う世界的な物価高、それに対応するための利上げ等まさにニュースで連日取り上げられている内容についてご解説いただきました。また、最近話題になった欧米の金融機関の破綻についてもお話しいただき、破綻した銀行と日本の金融機関との違いの説明が個人的には非常に分かりやすかったです。

そして次に日本の経済動向のご説明をいただきました。経済指標としては概ねコロナ禍以前の水準まで持ち直してきているとのことでした。また、日本銀行の目指す2%のインフレ率の説明の際には様々な指標やフィリップス曲線を使って解説していただきました。以前よりニュースで逆イールドという単語を見て何やそれはと思っていたのですが、イールドカーブの説明が分かりやすく、「あ、長短で逆になっているから逆イールドなのか」と腑に落ち大変勉強になりました。さらにその説明の際にあくまで賃金の上昇を伴うインフレを目指すということを強調されていたのが印象的でした。

最後に兵庫県の経済動向のご説明をいただき、こちらも日本全体と同様持ち直してきているとのことでした。なお、その資料の中に神戸市内のホテルの平均稼働率のグラフがあり、コロナ禍の2020年春頃には約10%という稼働率となっており中内副会長はじめホテル業界の方々は大変な状況を乗り越えられたのだなとあらためて実感いたしました。

また、本日ご講演いただいた竜田様は平成3年法学部ご卒業の塾員ということで神戸慶應倶楽部にご入会いただいているので、今後ともご講演等で勉強させていただける機会があれば幸いです。

2023年4月号掲載

3月例会in東天閣

小嶋淳平(H12経)

3月例会といえば、「東天閣神戸本店」!! 
前年はコロナの影響で6月開催となり異なる時期の開催でしたが、今年は通常通りの3月例会として、戻ってくることが出来ました。6時の受付開始を待たずして、続々と皆様がお越しになられ、すぐに会場内は熱気に包まれるほどの盛り上がり。当日参加なさった40名全員が、美味しい中華料理が早く運ばれて来ないかと期待が高まります。

 

そのなかで、橋本幹事長の司会のもと、木村会長から開会のご挨拶をいただき、そして東天閣の主であられる中神先輩の乾杯のご発声で、会がスタートしました。皆様の期待を超える美味しい料理の数々が運ばれてきて、各テーブルの会話も弾みます。また多くの方はビールに始まり、紹興酒に移っていかれるのですが、その際も常温・ロック・燗といった多種多様なオーダーにも丁寧に応えて頂き、さらに杯が進みます。
中内実行委員長から100周年記念祝賀会のご説明を頂き、新入会員のご挨拶と続きます。今回は2名の方がいらっしゃったのですが、個性あふれるご挨拶に、皆様が興味深く耳を傾けていらっしゃいました。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます。最後は城口副会長にご挨拶を頂きました。
そして、ながらく出来ていなかった円陣を組んでの若き血の合唱に、神戸慶應倶楽部の温かさや素晴らしさを感じ、さらに日常生活を取り戻しつつあることを実感しました。
最後は、安定の今泉副幹事長のエールにて会はお開きとなり、恒例の店前での集合写真を撮影しました。楽しかった余韻を残しつつ、三々五々に神戸の街へと皆様消えていかれました。

4月遠征例会in三田

鳥羽卓朗(H30商)

(三田キャンパスツアー)                     
2018年卒の鳥羽です。4月例会では、福澤先生の墓参り、慶應義塾大学のキャンパスツアー、懇親会に参加させていただきました。キャンパスツアーの中で、歴史博物館の位置付けである、慶應義塾史博物館に訪れる機会があり、慶應義塾の成り立ちを学ぶことができました。

 

特に印象に残っているのが、演説館での都倉先生からのご説明で、「演壇の上に立たず物理的にもフラットな立場で演説をする」「当時の権威性の象徴であった袴を付けない主義を通す」等、現代日本からみてもリベラルな福澤先生の姿勢でした。今とは比べものにならない当時の年齢・年次・肩書による序列の厳しさを考えると、革新性と欧米からの影響を強く受けているということを感じます。明治維新、二次大戦など既存秩序の動揺の度に、社会でリベラルな思想が台頭し、その後徐々に保守化(守旧化?)するという共通の傾向があるのかもしれないと感じます。なお、演説館の福澤諭吉の絵は、神戸慶應倶楽部寄贈のものです。
都倉先生による慶應の裏話を伺えたのも貴重な経験でした。いちょうの樹は水分をよく含み、空襲で燃えづらいそうです。また在学中に訪れたことのなかった、ノグチ・ルームなども見学させていただき、とても歴史を感じさせる文化財でした。ロースクールができる際に一部が破壊されたとのことで、残念でした。一方、人間が陸を支配する限り、一般的な墓などと同様に文化財も増え続けることから、サステイナブルではないなぁとしみじみ感じました。

 

根来陽子(H23商)

(懇親会in三田ファカルティクラブ)
三田キャンパスツアーのあとは、三田キャンパス北館にある「ファカルティクラブ」にて懇親会を行いました。木村会長からの挨拶、堺評議員からの乾杯の挨拶で始まり、パレスホテルのフレンチコースを、お料理にあったワイン等お酒とともに楽しみました。

デザートの後には都倉先生への質問コーナーで、こちらもキャンパスツアー中にはお伺い出来なかった内容で、大変盛り上がりました。
最後は肩を組み円陣を組んで若き血斉唱を行いました。個人的にはコロナ禍以降初めて肩を組んで若き血を歌ったので、少しずつ前のような日常が戻ってきてほしいなと思いました。
また、エール担当がいなかったので、橋本幹事長の声を張ったエールも良かったです!!
今回は特別企画として三田キャンパスでの開催とのことで、家族とともに参加させていただきました。地方会員としてなかなか参加できない状況ですが、また皆様にお会いできる日を楽しみにしております。

2023年1月号掲載

年頭所感

神戸慶應倶楽部会長 木村 健(昭57法)

2023年の新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
皆様におかれましては、穏やかな新年をお迎えになられたことと存じます。
昨年は、3年目となりましたコロナ環境下社会に対して、世界各地から行動規制緩和の流れが広がり、日本に於いても4月末GWから行動制限なき生活体制となりました。
アフターコロナ禍に向けて、加速度的に社会が変革する一方で、昨年2月に起こったロシアによるウクライナ侵攻は、世界規模での資源・原料価格高騰を始めとする諸物価高騰によるインフレ不況を引き起こし、世界経済を停滞させ、今年以降も終着点の見通しが立たない混迷の時代となりましたが、このような大きな時代の変革期にこそ、熟考し新たなるチャレンジを進めたいものです。
神戸慶應倶楽部は、昨年4月以降、予定しておりました例会・家族例会をすべて橋本幹事長尽力のもと開催しました。
私は、当倶楽部の使命が福沢思想の「人間交際」の場づくりと考えており、本年も充実した各種行事の開催を目指してまいります。
また昨年、自然消滅しておりました「ゴルフ同好会」が、城口副会長世話人のもとで復活し、多くの会員が参集され、活発な活動が期待されます。
そして本年は、神戸慶應俱楽部創立100周年記念式典を開催いたします。
100年という歴史の重みを理解し、慶応義塾創設者・福沢諭吉が語った「慶応義塾の目的」を今一度、塾員が共有できる機会にしたいと思います。
中内副幹事長を実行委員長とする委員会を中心に企画を進めてまいります。
神戸慶應俱楽部の存在が会員皆様の心の支えとなれますよう、役員・幹事会ともに努力してまいる所存でございます。
最後になりましたが、会員皆様の今年一年のご健勝を心より祈念申し上げます。

12月家族例会

岩谷 栄成(平28政)

12月17日(土)、ポートピアホテルにて家族例会が開催されました。今回は、41名の方が参加されました。
さて、家族例会は木村会長からご挨拶頂き、浦上先輩の乾杯のご発声でスタート致しました。お二人からは、慶應ならではの絆の深さ、そして多くの人たちが集い、楽しく顔を合わせる喜び等について力強く語られました。
その後は、ドキドキのビンゴ大会。お子様たちは目玉景品である、ニンテンドースイッチが手に入るかどうか、戦々恐々、その眼差しは真剣そのものであります。しかし、ニンテンドースイッチが当たったのは松尾副会長!最終的には、「ジャンケンで決めましょう」ということで、松尾副会長とお子様たちとのジャンケン大会が催されました。ニンテンドースイッチを手に入れたお子様は、きっと松尾副会長が素敵なサンタクロースに見えたに違いありません。
そして、藤村麻紀先輩によるジャズコンサート。バラードから軽快なナンバーまで、様々な色合いの音楽によって、家族例会が一気に華やかかつ芳醇なムードに彩られました。ノリノリでリズムをとる方、ウットリと聞き惚れる方など、皆さんの表情もさまざまです。曲間に挟まれる藤村先輩の軽妙なトークも、会場から笑いが起こるなどして、大いに盛り上がりました。
恒例のオークション大会では、参加者の皆さまから多くの魅力的な商品が持ち寄られました。特にポートピアホテルのスイートルーム宿泊券や、藤村先輩のサイン入りTシャツでは、多くの方が積極的に手を上げられ、その熱い攻防戦に、歓声も上がるなどして会場は大盛り上がりでした。オークション売り上げは、総額14万6500円となりました。皆さま、ご出品ありがとうございました。
城口副会長のご挨拶を頂いた後、締めはやっぱり「若き血」。神戸の地でこの曲を歌うというのは、何とも感慨深かったです。新人の私自身、家族例会は初参加。「家族」という名が冠されているだけあって、独り身の私でも大丈夫だろうか…と若干の不安の中、参加致しましたが、多くの先輩方が温かく受け入れてくださり、全くの杞憂に終わりました。
約十年前、関西から一人上京し、期待と不安の中で迎えた日吉の入学式、周りは誰も知らない人ばかりでしたが、後に同窓生となる多くの人から温かい声を掛けてもらったことを想起致しました。まだまだ新人の立場ですが、開放的な慶應の気風、そして先輩たちの思いを絶やすことなく、いずれ入ってくるまだ見ぬ後輩たちをいつでも温かく迎えられるように努めたいと心から感じた例会でありました。

新年顔合わせ会

 

新年例会

萩原 勇作(平21法)

令和5年1月12日、3年ぶりに西村屋 和味旬菜にて新年例会が開催されました。前回に引き続き、関西不動産三田会様との合同例会で、神戸慶應倶楽部から19名、全体で43名の方が参加されました。はじめに、昨年30周年を迎えられた関西不動産三田会 改田諭士代表世話人よりご挨拶を頂戴しました。開会のご挨拶として、木村会長から100周年記念例会のアピールがあり、小池副幹事長の乾杯のご発声でスタートしました。
諸般の事情もあり、今年は「かにすき」ではなく、「かに会席」をご用意していただきました。美味しいかに料理に、話も弾み、大いに盛り上がりました。途中、新入会の今津貴博会員からご挨拶がありました。最後に城口副会長からのご挨拶があり、楽しい会はお開きとなりました。西村屋の皆様には、大変お世話になりありがとうございました。