月例会

2010年

2010年11月号掲載

10月例会レポート 「交渉学への招待」

是枝 洋介(平6環)

10月8日午後6時30分より、神戸ポートピアホテルにて、慶應義塾大学法学部の田村次朗教授をお招きし、10月例会が開催されました。出席者が40名と多く、直前になって広い部屋に変更になる程の盛況ぶりでした。

講演のタイトルは「交渉学への招待」。田村先生の研究テーマの一つである「交渉学」のいわば入門編を紹介していただきました。「交渉は勝ち負けを競うものではない」という趣旨から講演がスタートし、「交渉学」とは交渉相手をいかにして打ち負かすのかを研究する学問なんだろうなどと考えていた私は、冒頭から考えを改めることとなりました。

講演の内容は実践的なものが多く、ビジネスでは勿論のこと、様々な場面で(家庭でも?)利用できるように思われました。田村先生の説得力ある語り口もあって、当日は一種の興奮状態に陥り、すぐにでも実践してみたい衝動にかられるほどでしたが、生半可な理解で用いても痛い目をみるだけのように思われますので、少し落ち着いて知識を整理したいと思います。

当日、田村先生より、著書「交渉学入門」(日本経済新聞出版社)を倶楽部に寄贈していただきました。この著書にも「交渉力は学んで鍛える」とあります。皆さま、先生の著書で交渉学について学び、豊かで実りある交渉力を身に付けましょう。
以下、ご講演内容を抜粋して紹介します。

「交渉は勝ち負けを競うものではない」
スポーツ等と異なり、交渉は勝ち負けを競うものではない。交渉では、勝ち負けではなく、利益を作り出せたか否かを意識すべきである。

「交渉前にしっかりと準備をする」
交渉前の準備がいい加減だと、合意内容の如何に関わらず、合意したという事実をもって容易に自分を正当化してしまう。また、相手から揺さぶりを受けると、簡単に譲歩しがちである。客観的な目を持つために、しっかりと準備をした上で交渉に臨むべきである。

「準備の際にはBATNAを考えておく」
合意が成立しなかったときの代替案がBATNA(Best Alternative to a Negotiated Agreement)である。もし合意できなかったらどんな選択肢があるのかを考えることにより、交渉の価値を見極めることが可能になる。また、BATNAを用意しておらず、そのことを相手に知られてしまった場合、その相手は譲歩しなくなるため、自分にとって不利な交渉になってしまう。

「アンカリングに引っかからないよう気をつける」
交渉相手の提案を交渉の前提としてしまい、自分の主張が自由にできなくなることがアンカリングである。交渉の目的を明確に持っていれば、アンカリングに引っかかることを防止することができる。

「クリエイティブオプションが大事である」
自分が正しいことを一方的に主張するだけでは合意を得ることはできない。相手の利益がどこにあるのかを把握し、その相手の利益と自分の利益の両方を満足するようなクリエイティブオプション(柔軟な発想による選択肢)を目指すことが重要である。

「二分法の罠に気をつける」
交渉相手が提示してきた二分法に乗っかってしまうと、交渉相手のペースで話が進んでしまうことが多い。イエスかノーかと問われても、すぐにイエスかノーで答えず、不明な点を逆に質問する等の対応をとることが望ましい。

「交渉上手は聞き上手である」
口達者の人が交渉上手だと思われがちだが、相手から情報を引き出す聞き上手が交渉上手であると言える。さらに一歩進み、情報を引き出すのみでなく、自分が主張したいことを相手に言わせるところまでいけば一流である。

9月例会レポート 「映画製作の 舞台裏神戸ロケ敢行の「ふたたび」 」

櫻井 玲央(平19政)

9月2 日午後6 時30 分より生田神社会館3階「梅」にて映画監督兼俳優、塩谷俊氏をお招きし、9月例会が開催されました(出席者37名)。参加人数も月毎に増え、例会が様々な場所で行われており、毎回楽しみでなりません。

残暑厳しい中の開催でしたが、みどりに囲まれた生田神社会館での例会は幾分か涼しく感じました。

新社屋が完成された佐井会長のお言葉に始まり、塩谷氏による日頃聞けないような監督業や俳優業の裏話が盛りだくさんでした。

『おしん』や『釣りバカ日誌』などに出演されている塩谷氏の俳優時代の苦労話、海外での演技が評価され新しいステップを駆け上っていく過程など非常に興味深く、聞き入っておりました。

「映画は興行としては10%の作品しか回収できない」

この言葉は大変意外でした。昨今の邦画ブームの中で売れる映画は儲かっているイメージがありましたが、その実はテレビ局主導で製作されているものでドラマの延長であるとのことでした。

売れない題材は作られない映画界にあって塩谷監督は常に映画を通じ問題提起をされています。

11月13日から全国で公開される『ふたたび Swing Me Again』もその一つだそうです。
ハンセン病でメンバーが引き裂かれたジャズバンドの復活を描いた映画であり、ハンセン病は映画の題材に取り上げられることは通常なく、各所から制作に反対されたそうですが、映画に対する情熱と目の前にある感動をしっかりとりたいとの姿勢で形にすることができたそうです。

ロケに使われた神戸の風景も多く出てきますので、試写会に参加できなかった私も是非見に行ってみようと思います。

 http://futatabi.gaga.ne.jp/

塾の卒業生は各方面で活躍されていらっしゃることを改めて感じた一日でした。

慶應対早稲田対抗 ゴルフコンペレポート

野田 敬二(昭58経)

まず平成22年9月8日の対抗戦は、神戸慶應倶楽部の参加申込者が5名あったにもかかわらず、残念ながら台風9号の影響で3週間延期になりました。

そして待ちに待った平成22年9月29日(水)は、気温20度・快晴微風の絶好のゴルフ日和の下で、第44回 慶應対早稲田対抗ゴルフコンペが神戸ゴルフ倶楽部で開催されました。参加者は神戸早稲田倶楽部7名、神戸慶應倶楽部1名でした。結果は、ゴルフ経験と人数で上回る、早稲田勢が上位を独占し、唯一、神戸慶應倶楽部から参加した私・野田敬二はブービー賞を獲得するに留まりました。

ラウンド後、倶楽部ハウスで会食と写真撮影・表彰式が行なわれました。神戸ゴルフ倶楽部の53年前からのメンバーで、阪神大震災後、神戸ゴルフ倶楽部代表を10年間勤められた樽本久さん(神戸早稲田倶楽部)による日本ゴルフ界の歴史についての特別講義があり、参加者一同、聴き入っていました。特に、ゴルフ用語・マナーについての説明は、明快で分かりやすいもので、今後のゴルフ同好会活動の場で随時披露する予定です。

2010年9月号掲載

6月例会レポート 『福澤諭吉と関西』

宮田 沙織(平16法)

6月17日午後6時30分より神港ビルヂング1階会議室にて、慶応義塾福澤研究センターの専任講師、都倉武之氏(平14法)をお招きし、6月例会が開催されました(出席者36名)。講演タイトルは「福澤諭吉と関西」であり、実は同じ内容で1月に講演をお願いしていましたが、当日新幹線運転見合わせの影響により都倉さんが来られなくなり、今回仕切り直しのご登場となりました。

倶楽部ルームから椅子を追加で持ってくるほどの盛況のなか、都倉さんには、「実践家」としての福澤先生の生き方について、またその拠り所となっていた「独立」という考え方の意味するところ、そしてどのように実践していったかといったお話をしていただきました。私自身は、都倉さんが挙げられた人名の半分も分からないほどの不真面目な塾員なので、福澤先生とその門下生たちの活躍の場として関西がとても重要だったことを改めて感じ、興味深く思いました。

〈都倉講師ご講演〉
○一般的に福澤先生は「思想家」として位置づけられるが、「実践家」、すなわち人々の模範となるように自ら行動した人である。その啓蒙活動の流れを受け継ぐのは三田会や慶應倶楽部であり、今も活況の関西各倶楽部は特に重要である。
○「独立」(※「独立自尊」は福澤の死に際し弟子たちが造ったことば。福澤先生自身は単に「独立」と言っていた、とのこと。)とは、個人に焦点を当てたもので、「文明」は社会全体が発達し精神の底上げを実現することである。
○福澤家は、漢学者として大阪で活躍した父百助の急死の後、中津に移ったが、家族ともどもその地に馴染めなかった。先生の道徳的支柱は大阪の自由闊達で合理的な空気であり、適塾で身につけた「実学」の精神である。
○和歌山藩の洋楽奨励政策により多くの若者が福澤先生に師事、後の義塾において大きな役割を果たす。また、明治初期に3つあった分校は成功しなかったものの、門下生が地域の公立学校に深く関わり、教育水準の底上げに貢献した。神戸においては星陵高校の前身の神戸商業講習所が一例である。
○「独立」の意味も発展する。すなわち精神の独立から経済的独立へと移り、「尚商立国」(商いを尊ぶ国づくり)が掲げられ、経済界に名立たる人物が輩出されてきた。一部の金持ちにぶら下がるのではなく、自ら各業界を切り拓いていった人物ばかりである。
○福澤先生の理論に一貫性がないところかもしれないが、華族であっても見所のあると思われた人物とは広く付き合い、共に行動した。神戸おいては旧三田藩を抜きにしては語れず、旧藩主九鬼隆義を中心とした輸入商社、不動産投機等の諸事業は、街の発展に大きく貢献した。また、白洲退蔵が持ち込んだ聖書により旧三田藩で広まったキリスト教は、神戸女学院という形となり、さらに彼らは、赤心社という名で北海道開拓団にも加わった。

サマーマーティーレポート [名司会者&新オークションシステム誕生]

鳥巣 慶太(平12工)

佐井会長の福澤先生と関西合同三田会のお話によりしめやかにスタートしました(46名出席)。

司会進行は赤羽幹事。低音の渋い声とジョークを散りばめた小気味よいトークと淀みない進行。まるで草野仁さんを彷彿とさせる司会によって、サマーパーティーは進んでいきます。
アサヒビール株式会社神戸支社長である高橋様より頂いたアサヒスーパードライが注がれたグラスを皆片手に持ち、福井副会長の乾杯により、いよいよ本番です。

牛肉やラムの骨付き肉、お寿司、マリネ、サラダなどなど、色とりどりのホテルオークラの豪華な料理が並び、部屋中をおいしい香りが包む中、各テーブルからは皆さんの笑顔と和気藹々の会話が聞こえ、神戸銀行倶楽部の一室は慶應一色に染まりました。

 

そして、今回から新オークションシステムが導入されました。浦上夫妻、特に奥様のご負担が大きいこともあり(笑)、目玉商品以外については、テーブルの上に展示された様々な商品に各自入札額を記入し、最高金額を入札した方が落札者となります。目玉商品については、この日のために新調した爽やかなラベンダー色のジャケットに身を包んだ浦上さんと、いつまでもお綺麗な奥様との軽快なやりとりにより進められる恒例のオークション。商品は、焼酎マニアに大人気の「100年の孤独」から、シャネルとヴィトンのアロマキャンドル、阪神戦のチケット、そして恒例の神戸ポートピアホテルのプール&ディナー付きスイートルームペア宿泊券です。なんと、この大変セレブな神戸ポートピアホテルスイートを平成19年卒桜井君が落札しました。なんとも頼もしい限りです。この若い力で、これからの神戸慶應倶楽部も安泰です。なお、新オークションシステムの導入で、例年にも増して一層盛り上がりのあるオークションとなりました。

最後に、阪本副会長の「全員が主役であり、その意識をもって皆で神戸慶應倶楽部を盛り上げていこう!」という言葉を胸に、若き血を大合唱。サマーパーティーは大盛況のまま終了しました。

なお、今回のオークションでの売上は223,000円となりました。ご協力いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。

福澤諭吉先生生誕175周年 記念式典レポート

河野 忠友(平1商)

去る平成22年7月16日、大阪のホテル阪急インターナショナルに於いて、慶應義塾主催による福澤先生生誕175周年記念式典が盛大に挙行されました。

まず清家篤塾長よりとても柔らかく温かいお人柄を感じさせるご挨拶から始まり、当地大阪を代表され森下大阪市副市長、「福澤諭吉先生生誕の地記念碑」を守り続けてこられた朝日放送株式会社の代表取締役専務和田氏、福澤家ご代表の福澤武慶應義塾評議員会議議長よりお祝辞及びご挨拶がありました。

引続き、服部禮次郎連合三田会会長のご挨拶から第2部が始まり、記念講演がありました。お一人目は当地大阪より大阪大学総長の鷲田精一先生、お二人目は慶應義塾大学経済学部長小室正紀先生がご登壇されました。

鷲田先生は「私立ということ」と題したご講演の中で、福澤諭吉先生が中津より再度出生の地大阪に戻り緒方洪庵先生の適塾に学ばれたことを引き合いに出されました。そして慶應義塾の原点は後の大阪大学となる適塾であったとの大変面白いお話により参列者を惹きつけておられました。一方小室先生からは「尚商論と独立自尊-福澤諭吉における実業論の行方」と題し、福澤先生が門下生に宛てた書簡から導かれる数々の教訓について興味深いご講演をいただきました。あっという間に2時間半が過ぎ、大阪慶應倶楽部銭高一善会長のご挨拶により締めくくりとなりました。

この記念式典ですが、半世紀ごとに大阪にて挙行されているそうです。前回は私が生を受ける以前でありましたし、次回となると自信がありません。そういった意味でも塾員で良かったと思える素晴らしい式典に参列させていただけたことに感激しております。

末筆で恐縮ですが主催者である慶應義塾の皆様、完璧な準備をなさった大阪慶應倶楽部の皆様に当誌面をお借りして心より御礼申し上げます。

関西合同三田会実行委員会報告

齋藤 洋邦(平12商)

7月30日、北野にある神戸北野迎賓館レイン邸にて平成23年関西合同三田会実行委員会のキックオフミーティングが行われました。

佐井会長を筆頭とした実行委員会メンバー24名が集まり、神戸主催の関西合同三田会大成功に向けて意識を高めあいました。

実行委員会は懇親会担当(木村健委員長)・式典担当(土井正孝委員長)・渉外担当(村尾憲一郎委員長)の3つのチームに分かれ、前回神戸幹事のご経験のある徳丸さんを実行委員長として活動しております。ありきたりではなく、神戸らしさをあらゆるところにちりばめ、主催する側も含めたすべての参加者が楽しめる会にしようと、参加者全員で意見を交換しました。

また、阪本副会長からは「発想の種」として、トイレットペーパー文庫のご紹介がありました。リングでおなじみの鈴木光司氏がこのために書き下ろした作品。実際にトイレで読んでみたところ、普段からホラーものが得意ではない私は、背筋がぞっとして便意どころでは無くなってしまたため、今は棚の奥の方にしまっております。
この話はさておき、今後とも打合せを重ね最高の関西合同三田会となるよう委員会メンバー一同取り組んでまいりますので、皆さんからのアイデアやご声援、お待ちしております!

2010年6月号掲載

2010年度総会開催

小池 剛(平1経)

平成22年5月26日(水)、北野の神戸外国倶楽部において総勢42名が参集し平成22年度定時総会が開催されました。森本幹事長の開会宣言で始まった総会は、佐井会長が大切にされている和気藹藹とした雰囲気の中にも神戸慶應倶楽部の歴史と伝統を感じることのできる会の進行となりました。佐井会長の議事進行の下、提出された議案はすべて原案通り承認可決されました。今年度は特に倶楽部ルームの使用規定について、会員相互の親睦を目的としお互いの信頼に基づき運営していくという、原点に回帰するための改正が盛り込まれました。また役員の改選も行われ、初の「平成卒幹事長」河野新幹事長が誕生しました。

総会終了後の懇親会は河野新幹事長に司会をバトンタッチし大澤副会長の乾杯の発声でスタートしました。徳丸副会長からは来年度神戸慶應倶楽部主催で実施されます関西合同三田会への協力要請があり各幹事の担当割り振りも行われました。

途中、退任される森本幹事長へ佐井会長から記念品が贈呈されましたが、お二人の熱い握手と森本幹事長の笑顔が印象的でした。記念品のうちの一つは塾のポロシャツで、慶早対抗ゴルフの際、勝利を呼び込むために必ず着用すると力強く挨拶されていました。また、幹事長時代多くの思い出がある中、特に「80周年記念パーティーが実は86周年だった事件」を佐井会長の懐の深さと会員各位のご協力によりプラスに転じることができたことが最も思い出深いと語っておられました。

滞りなく終始和やかな進行となった懇親会でしたが、若き血を歌った後に阪本副会長の締めのご挨拶が待っているというサプライズも新幹事長のご愛嬌となりました。阪本副会長からは服従の誇りを抱かせる三田の先輩たれ、そして後輩たちはよく支えよとのお話をいただき、出席者全員の心が一つになり今年度の更なる倶楽部の発展を確信し、散会となりました。

会長就任挨拶

佐井 裕正(昭49商)

この度、さる5月26日に神戸外国倶楽部で行われました平成22年度定時総会におきまして、はからずも2期目(任期2年)の会長の職を仰せつかりました。

私と致しましては慣例に従い、1期2年でバトンタッチをと思っておりましたが、特に若い会員並びに幹事の方々から来年に神戸ポートピアホテルで開催が予定されている関西合同三田会を一緒にやろうというお声に乗せられた結果であろうかと思います。

改めまして、その責務の重大さに身の引き締まる思いでありますと同時に、どこかの国の総理の支持率が急落し、退任を余儀なくされている事を思えば、望外の幸せでもあります。さて過ぎ去ったこの2年間は、森本泰暢幹事長と出席した慶應義塾創立150周年式典や、東京・大阪・福岡で行われました福澤諭吉展、またそれに伴ういくつもの行事で大変充実したものでした。

そのどれもが私にとって忘れられない貴重な思い出となっております。

同時に、内外とも多忙なこの時期に立派に責務を果たされた森本幹事長には心より感謝申し上げたいと思います。

一方、我が倶楽部においては2009年9月2日に行われました創立86周年記念例会が一番のハイライトでした。

当初は創立80周年だと思っておりました所、昭和10年11月3日に発行された「神戸慶應倶楽部時報」により、沿革の概略全てが明らかとなりました。

ここにこの「時報」の表紙に掲載されている福澤先生の「同窓の辞」を皆様方にご披露させて頂き、私の就任挨拶とさせて頂きます。

皆様方におかれましては、今後ともさらなるご指導、ご鞭撻を頂きたく、心よりお願い申し上げる次第であります。

 

幹事長就任挨拶

河野 忠友(平1商)

先般開催されました平成22年度定例総会にて、森本前幹事長の後を受け幹事長を拝命致しました。87年の歴史を誇る我が神戸慶應倶楽部の伝統を汚さぬよう、微力ではありますが誠心誠意務めさせていただく所存です。佐井会長はじめ副会長、会計監査、評議員の皆様、そして会員の皆様のご指導のもと、総勢23名の強力な幹事会メンバーとともに倶楽部を運営してまいりますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて今年度ですが、喫緊のテーマ及び課題は大きく2点です。一つ目は来年11月、当倶楽部が主幹事となり神戸にて開催される「関西合同三田会」の準備です。徳丸副会長を委員長とする実行委員会が間もなく始動しますが、多くの幹事会メンバーも実行委員を兼務し準備に取り組んでまいります。関西合同三田会神戸開催を成功に導くために当倶楽部会員の皆様には有形無形のご協力をお願い申し上げます。

二つ目は会員増強活動です。数年前より当倶楽部は財政改善を行い、諸先輩方の多大なご努力の結果、現在まで大変良好な水準にて推移してまいりました。しかしながら会員数が微減傾向となり中長期的には再び財政が悪化する懸念があります。そこで「参加したくなる例会」企画を一層強化し、会員の皆様にお納めいただく年会費、例会費に見合う価値のご提供に努め、その上で新規会員の獲得を強化してまいります。また例会プログラムに関しまして、会員の皆様よりご要望、ご紹介など積極的にご意見をお寄せいただきましたら幸いです。

これら大きなテーマに取り組みつつ、神戸の慶應倶楽部らしくスマートに楽しく塾員相互の親睦を深めていただける会になりますよう努めてまいりますので、皆様におかれましてはお一人お一人が主役としてご参加いただきますことを心よりお願い申し上げます。さらに、一人でも多くの新入会員獲得にご尽力下さいますようお願い申し上げます。

私自身まだ若輩でございます。また几帳面な性格でもありませんので至らぬ点が多々あるかと思います。どうぞ社中の心でご容赦いただきますようお願い申し上げます。

末筆になりますが森本前幹事長、2年間大変お疲れ様でした。引続き倶楽部運営へのご指導方宜しくお願い申し上げます。

幹事長退任挨拶

森本 泰暢(昭60法)

伝統ある神戸慶應倶楽部の幹事長を拝命してから、2年が経過し退任することとなりました。

この2年間を振り返りますと、慶應義塾創立150年事業が盛大に行われ、特に2008年11月8日の日吉における記念式典は天皇皇后両陛下のご臨席を賜り、慶應義塾の栄えある歴史の瞬間に立ち会えたことは、誠に光栄なことでした。

また神戸慶應倶楽部80周年(86周年)記念パーティーが開催できたことも、貴重な体験でありました。記念すべき年の幹事長の大役を果たせたのも、会員各位、会長、副会長、会計監査、顧問、評議員、副幹事長、幹事、事務局のお陰だと、心より深く感謝いたしております。

次年度は満を持して、平成元年卒業の河野忠友さんが幹事長に就任されます。期待の若手幹事長でありますので、私同様宜しくお願いいたします。神戸慶應倶楽部のますますの隆盛を祈念し、退任の挨拶とさせていただきます。

4月例会レポート

野田 敬二(昭58経)

日時:平成22年4月20日(火)、18:30 ~20:00
場所:神港ビル1階会議室
講師:阪本清輝会員(2009年12月入会、明治乳業株式会社 関西支社兵庫支店長)
内容:“健康と食品”

24名の参加者が集まって講演会が開催されました。身近な健康食品としての乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)について、まず概説されました。牛乳については、人によっては腹が痛くなる場合があること、チーズについては塩分との関係で摂取しすぎに注意が必要なこと、の2点を指摘されました。話題の中心のヨーグルトについては、明治乳業(株)が製造している“LG21”と“R-1”の2つの製品をご持参の上、説明されました。

後者の“1073R-1乳酸菌”の正式名称はLactobacillus Bulgaricus(ラクトバチルブルガリクス)OLL1073R-1。薬事法上との関係で説明はかなり制限された範囲内のみに留まっていました。しかしながら、新型インフルエンザが流行中の昨今、人間の免疫機能と“1073R-1乳酸菌”との関係が脚光を浴びる日がそう遠い将来ではないと確信しました。

講演会後の質疑応答では、乳製品全般について沢山の質問が出席者の中から出されました。“牛乳と母乳では赤ちゃんにとってどちらが好ましいか?”の質問に対しては、“母乳に勝るもの無し!”と回答されました。

最後に森本幹事長が“明治ヨーグルトを毎日購入して健康になりましょう!”との挨拶で閉会となりました。

慶早ゴルフコンペレポート

森本 泰暢(昭60法)

4月6日(火)慶早ゴルフコンペが廣野ゴルフ倶楽部にて開催されました。

神戸早稲田倶楽部より12名の参加をいただき、当倶楽部からは9名が参加し、桜満開という絶好のコンディションのなか、プレーと懇親会で大いに盛り上がりました。

対抗競技は各倶楽部の上位7名によるネット合計で競われ、神戸早稲田倶楽部が勝利致しました。勝利チームの早稲田には佐井会長寄贈のワインが12本贈られました。

個人戦では優勝が早稲田の西村勝弘さん、2位が慶應 野田敬二さん、3位早稲田 田中信夫さんという結果でした。秋は早稲田主催で9月8日(水)に神戸ゴルフ倶楽部で対抗戦が開催されます。
皆様の参加をお待ちしております。

出席者は以下の通りです。

佐井裕正   芳川玲子   田嶋紀雄
宮崎和郎   多木良晴   城口 隆
野田敬二   城根 誠   森本泰暢

2010年4月号掲載

1月例会レポート「「福澤諭吉と関西」のはずが・・・」

森本 泰暢(昭60法)

新年明けてからの初例会が1月29日(金)神港ビル1階会議室で行われました。

講演は慶應義塾福澤研究センターの専任講師都倉武之氏による「福澤諭吉と関西」となるはずだったのですが、なんと当日午後2時前、JR東海道新幹線で停電があり、約3時間にわたって東京~新大阪の上下線で運転を見合わせたことにより、講演は延期となってしまいました。停電は神奈川区で架線が切れたことが原因とみられ、東海道新幹線は29日午後5時過ぎに運転を再開したが、約14万9000人に影響が出たという事故でありました。都倉先生は何とか神戸の皆さんにお会いしたいということで、羽田空港にも向われましたが、途中で伊丹、神戸、関空行きは全て満席の情報を知り、運転再開を期待して再び新横浜駅で待機されました。結果として翌日関西でお仕事があるということでしたので、大阪に21時半頃に到着したという連絡とともに、必ず次の機会に講演をしていただくとの約束をいたしました。

この講演の穴を誰が埋めるのか?と不安を感じる私でしたがさすが佐井会長、30分の会長挨拶のほとんどを「開港場神戸を支える慶應系人脈」についてお話をされました。
その後は参加者16名が各々近況報告等を語らい会員相互の理解と親睦が深まった例会となりました。

[佐井会長ご挨拶]
(1)1月10日(日)第175回福澤諭吉先生誕生記念祝賀会が清家塾長、塩川元財務大臣をご来賓に迎えシェラトン都ホテル大阪にて開催されました。本年は、緒方洪庵先生生誕200年にもあたる年ということであります。清家塾長による講演では「より良い未来を求める大前提として、地球、人類、国際社会、そして日本社会が持続しうるためにはどうしたらよいか。そうした問題に対処しうる人材の育成、すなわちそれは実学の精神に則って自分の頭で考えることのできる人材を育成することである」とのお話がありました。

(2)2011年10月23日(日)に神戸慶應倶楽部主催の関西合同三田会が開催されます。この準備において、多くの会員が参加し協力するということが大事であり、最近ご無沙汰の会員の出席をお願いするとともに、会員の親睦の輪が広がるという場にしていきたいと考えております。

(3)開港場神戸の経営のためには、英語と国際的な商法に習熟した人材が必要であった。明治4年県令(現在の知事にあたる)に神田孝平が就任した。神田と福澤先生は幕末長崎留学以来の親密な関係があった。神田の後任の森岡昌純が明治9年に就任したが、神田ほど欧米事情に明るくない森岡はこれまで以上に開港場経営のための教育、経済運営を福澤先生に頼ることとなった。明治10年、森岡は慶應義塾出身の牛場卓蔵に命じて商業学校を作ることを計画、その設置された兵庫県商業講習所の校長、教師に慶應出身者らが多くいた。明治13年牛場卓蔵の後任として福澤門下生の本山彦一が兵庫県に出仕した。本山は兵庫県の勧業と教育を一手に担った。

講習所卒業生らは、明治12年には神戸商法会議所を設立、また商議社を結成した。商議社は政治結社ではなかったが、演説や討論の方法が自主的に学ばれ、その建物では日常的に演説会が持たれるようになる。明治13年1月神戸のような動きを全国的に広げたものとして、福澤先生は交詢社を設立した。社員は全国で1,800人、神戸では80人が社員となった。森岡昌純、本山など県上層官僚、北風正造ら江戸時代以来の兵庫津の商人と、白洲退蔵ら新開地神戸の商人、県会議員や郡長、慶應出身の鹿島秀麿ら新聞人、さらに三菱会社の社員など、交詢社の社員は県下で有力な人々が参加したのである。

3月例会@東天閣レポート

石崎 雄三(平9経)

去る3月17日水曜日、今年も例年通り中神先輩のご配慮のもと、神戸北野の東天閣にて、恒例の3月例会が行われました(参加者数42名)。

まず、佐井会長にご挨拶いただいた後、堀切先輩に乾杯のご発声を頂き、そして次から次へと美味しいお料理が運ばれてきました。メニューをご紹介しておきますと、【伊勢えび前菜盛り合わせ・海鮮入りふかひれスープ・海老のニンニク蒸し・蟹春巻と鶏の唐揚げいりつけ・東天閣北京ダック・特製スパイススペアリブ・水餃子・鳴門金時芋の雨抱き・季節のプリン】といった9品でした。

どれもこれも余すことなく堪能し、私を含めついお酒が進んでしまわれた方もいらしたのではないでしょうか。
 途中、新入会員の方4名【石関 智二(56・商)、小池 剛(H1・経)、橋本 敦子(H1・文)河本 英雄(H11・KBS)】のご挨拶もあり、大いに盛り上がりあっという間の2時間でした。

最後の締めとして、阪本副会長からご挨拶を賜り、宴もたけなわではではありましたが今年も充実した例会となりました。

最後になりましたが、毎年のことではありますが中神先輩への感謝を現しつつレポートを終わりたいと思います。

2010年新年号掲載

クリスマス家族例会レポート

郷田 誠紀(平6商)

12月5日土曜日、午後6時半から年内行事の締めくくりとなるクリスマス例会が、ポートピアホテル・レヴァンテの間で開かれました(参加者 会員29名 家族14名)。

佐井会長による神戸慶應倶楽部の今年の活動報告を含めたご挨拶と乾杯の音頭で、パーティーの幕開けとなりました。

神戸ポートピアホテルの美味しい料理とお酒を楽しんでいる中、ジャズライブが始まりました(出演:中谷泰子&森本優子)。今回は、ジャズ、ラテン、クリスマスソングとバラエティに富んだ内容で、『You’d be so nice to come home to(Cole Porter)』、『Last Christmas(Wham)』、『Samba de uma Note so(Jobin)』というような演目で進んでいきました。

今回、ジャズライブの司会を私、郷田が務めさせていただいたのですが、リハーサルに立ち会うため早めに現場に入ったところ、2曲も私のリクエスト(候補の中から選ぶ形でしたが)を演目に入れていただくことになったため、ドキドキしながら聴いておりました。
  幸いなことに、場内のノリもよく、アンコール『On the sunny side of the street(Jimmy Mchugh)』でライブは盛り上がりとともに幕を閉じました。

続いて、浦上ご夫妻の司会によるオークションが始まり、いつも通りのハイテンションかつ絶妙な掛け合いで、お酒・お菓子・ネクタイ・宝くじ・絵画といった商品がどんどん競落とされて行きました。

今回、新しい試み(?)として、福袋がオークションに出品されました。小さめの商品を複数詰めた福袋なのですが、先に手を挙げ権利を買った人から、福袋を覗いて、好きな袋を持って帰るという形式で行われました。福袋の意味が余りない気もしなくはないですが、参加者には好評で、全部の福袋が競り落とされ、オークションも盛況のうちに終了しました。

最後は、阪本副会長のご挨拶のあと、全員で若き血を熱唱して、お開きとなりました。
オークションの売上金額は185,000円となりました。また、当日用意されましたビール、ウーロン茶はアサヒビール様より協賛頂きました。
ご協力、誠にありがとうございました。

11月例会レポート

後藤 大悟(平13経)

11月11日午後6時30分より、神港ビルヂング1階会議室にて11月例会が開催されました。(出席者 17名)

森本幹事長からの連絡事項、佐井会長からのご挨拶の後、アクセンチュア株式会社 最高顧問の村上徹様より、「コンサルティング会社の抱える幾つかのジレンマ」を題としてご講演いただきました。

以下全てを網羅でききれませんが、内容を報告させて頂きます。

はじめに、アクセンチュアという会社のご説明を頂きました。全世界で従業員18万人・売上は2兆円などスケールの大きさはなかなか想像もできないような規模でした。しかし、これほど大規模の会社であるにも関わらず、全世界で1つのシステム(人事評価等)で動いている事やオフショア人材の活用(社員数でもインド人が最多数)など非常に効率的な仕組みで運用されている事にまず驚きを覚えました。

また、アクセンチュアが現在の規模になった理由についてもご説明があり、他のコンサルティング会社が会計・戦略・システム設計等各社各々の基幹事業中心で行うブティック型であるのに対して、顧客の要望に応じてコンサルティングからシステム開発・さらにその先のアウトソーシングビジネスまでも取り込んでおこなう、スケール追求型の展開をおこなっているとの事でした。

上記の通りコンサルティング会社として当然なのかもしれませんが、会社組織のあり方としての効率性・合理性の追求という意味で非常に洗練された組織という印象を受けました。さらに驚いたのが、その組織としての自浄作用と未来を見据えて変化(改善)を続けるための仕組みつくりでした。これは、最後の質問時間に頂けた話ですが、社内で数年おきに世界各地から選ばれた次世代のリーダー候補の人が50-60人集まって(現役のマネジメント層は参加せず)、自社の今後のビジネス展開について検討する仕組みがある事でした。まさに、最高のコンサルタントが自社組織をコンサルタントし、方向性を出している事は新鮮さすら感じました。またその上、各法人の代表就任時に後継者を3名選んでおくサクセッションプランという制度など、一歩も二歩も先を見据えた自浄作用・制度が機能している組織である事が認識できました。

次に、現在の日本企業への分析についてもお話を頂きました。そこでははじめに、全業種で当てはまる話としてスマイルカーブの話をされました。 これは、統計的に中規模企業の利益率の低く・逆に小規模・大規模会社は利益率が高くなっている事を図示したものです。そのなかで、現在の日本企業は、全般的に規模が中途半端で利益率が低いとの言及がありました。今ニュースになっている国内の飲料品メーカーの統合の話などは、グローバル規模での大規模化の動きではとの事で分かりやすく理解する事ができました。

もう一点言及されていたのは、昨年のリーマンショック以降の新興国マーケットの急拡大に日本企業が乗り切れていないことでした。これは日本企業の特徴として品質追及で高品質の商品を作る事を追求することに長けているため、新興国マーケットに対して安価な商品(品質等はそこそこでも)の提供ができていない事でした。逆に、インドのタタの5万円の車や韓国のサムソン等も新興国向けに安価な携帯電話等の商品を提供しているなど、彼らは新興国のマーケットに合わせた商品の供給ができているとの事でした。この事に関しても、日本では報道等においても安全性が・・・などの議論が多く出ており、国を挙げて見当違いな議論をしているのではとの思いを持ちました。

最後に、今回のお話を通して、アクセンチュアという会社の社会・世相を冷静に見る目の鋭さとそれを受け止め実行する力を感じる事ができました。今回の学びを通して、話を聞いて理解するだけでなく、一部からでも自分自身にも置き換え、実行できればと心を新たにさせて頂いた素晴らしいお話を頂けました。